人生100年時代。高齢期は「制限されるもの」ではなく、これまで以上に自分らしく自由に楽しむ時代へと変わりつつあります。
健康寿命の延伸や、介護ロボット・デジタル技術の発展、さらには地域や家族の支援体制の多様化によって、高齢者の暮らしは大きく進化しています。
このコラムでは、そんな現代のシニア世代が選び始めている豊かな老後の新しい常識について詳しく解説。
老後=我慢や孤独というイメージを覆す、前向きなライフスタイルや支援の選択肢を、実例や最新動向を交えながらお伝えします。
- 親や自分自身のこれからの暮らし方を考えたい方
- 高齢期をもっとアクティブに、自分らしく楽しみたいシニア世代
- 孤立や健康面の不安を抱える親を支えたいと思っているご家族
- 地域包括支援センターやケアマネジャー、士業など、高齢者支援に関わる専門職
- 高齢期を前向きに楽しむための新しい考え方がわかる
- 「健康・移動・趣味・地域とのつながり」など、豊かな老後をつくる具体策が見つかる
- 将来に備えて知っておきたい、生活支援サービスや保証制度についての理解が深まる
高齢期は「我慢する時代」から「自分で選ぶ時代」へ

「老後」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか。
年齢を重ねるにつれて体力や健康が不安になり、友人や社会とのつながりが減り、やりたいことが少しずつできなくなる…。
そんな寂しさや不安を、誰もがどこかで感じているかもしれません。
実際、厚生労働省の調査によると、高齢期に感じる不安として「健康状態」「経済面」に続いて「孤独」が上位に挙げられています。
体が弱ると、自然と外出の機会が減り、家に閉じこもる日が増える。
その結果、話し相手が減り、気づけば一日中誰とも話さなかった…。そんな高齢者は決して少なくありません。
でも今の時代、こうした老後の姿は少しずつ変わりつつあります。
医療やテクノロジーの進化に加えて、地域で支え合う仕組みが増え、「老後=制限されるだけの時間」から「老後=新しい楽しみを選び直す時間」へとシフトし始めているのです。
豊かな老後を支える“選択肢”の広がり
最近では「アクティブシニア」という言葉が定着しました。
70代でヨガや趣味の習い事、友人との旅行を楽しむ方も珍しくありません。
東京都に住む78歳の女性Aさんは、週に一度、近所の健康体操教室に通っています。
「最初は腰が痛くて続かないかと思ったけれど、先生が私のペースに合わせてくれるので安心でした。体を動かした日は夜ぐっすり眠れるし、ここに来る日は洋服も髪も少しおしゃれするんです」と、少し誇らしげに話してくれました。
ちょっとした趣味が暮らしを変える
また、趣味を再開したことで暮らしが大きく変わった人もいます。
神奈川で一人暮らしをする77歳の女性Dさんは、若い頃にやっていた水彩画を40年ぶりに再開しました。
「何か始めたいなと思っても、年齢を考えてためらっていたんです。でも市の講座で初心者歓迎って見て、思い切って申し込みました」
今では週に一度講座に通い、家でも絵を描くように。
「この年になると、何かに夢中になれる時間が宝物。孫に絵をあげたらすごく喜んでくれて、描いてよかったなって」
少しのきっかけが、高齢期の日常を豊かに変えてくれるのです。
数字が示すこれからの課題
一方で、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年には日本の65歳以上人口のうち単身世帯が約47%増加するとされています。
つまりこれからは、今以上に一人暮らしの高齢者が増え、孤立や「もしものときに頼る人がいない」という状況が現実的な課題になるのです。
「親が一人暮らしで心配だけど、頻繁に様子を見に行けない」
「自分自身がこの先一人になった時、どうやって生活を守ろう…」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。
家族の距離が離れていても、支えられる時代

しかし今はテクノロジーやサービスの進化によって、家族が遠方に住んでいても支える方法が増えています。
週に一度オンラインで顔を見ながら話すだけでも、高齢の親にとっては大きな楽しみです。
「最近の父は、自分から『日曜のこの時間に話そう』ってLINEしてくるんですよ。会話の約束があると、気持ちも張りが出るみたい」と嬉しそうに話す娘さんもいます。
新しい住まい方や、もしもの備え
最近では「高齢者向けシェアハウス」という選択肢も注目されています。
プライベートな部屋は持ちつつも、リビングやキッチンは共有で、自然と同年代との会話が生まれる暮らし方です。
横浜のシェアハウスに住む76歳の女性Fさんは「一人の方が気楽だけど、やっぱり不安はある。でもここなら廊下で誰かに会うし、食事も一緒に取れる。安心感が全然違います」と話します。
さらに、資産管理や相続の準備を早めに始める方も増えています。
「子どもに迷惑をかけたくないから、遺言を作りたい」「万が一認知症になったときに備えて家族信託を考えたい」と、60代から専門家へ相談に来るケースも多いのです。
“生活支援つき身元保証サービス”という安心
最近では、生活支援と保証を一体で提供するサービスも増えています。
保証人がいなくても入院や施設入居ができ、定期的な安否確認、亡くなった後の葬儀・供養まで面倒を見てもらえるプランもあります。
都内で一人暮らしをする82歳の男性Gさんは「子どもに負担をかけたくないからね。これに入っておけば何かあっても大丈夫。だから気が楽なんだよ」と笑顔を見せました。
こうしたサービスは本人だけでなく、遠方に住む家族にとっても大きな支えです。
これからの暮らしを家族や専門家と話し合う

老後の暮らしは、一人で抱え込む必要はありません。
家族と「この家にいつまで住みたいか」「もしもの時どこに移りたいか」話しておくだけでも違います。
さらに地域包括支援センターやシニアライフコーディネーター、相続や身元保証に詳しい専門家に相談すれば、自分や家族だけでは気づけなかった選択肢も見つかります。
「まだ元気だから先のことはいいよ」と言わず、ぜひ少しずつ話してみてください。
自分らしく、もっと自由に。豊かな老後を選ぶ時代へ
これからの高齢期は、「もっと自由に、もっと自分らしく」を大切にできる時代です。
体が思うように動かなくなるのは自然なこと。でもその中で、どんな暮らしを楽しみたいか、どこに住み、誰とどんな時間を過ごしたいかを考えることは、とても大切です。
老後は決して我慢だけの時間ではありません。
少しの準備と工夫で、もっと安心に、もっと豊かに生きられます。
ぜひ一度、家族や専門家と「これから」の暮らしを話し合ってみてください。
そのヒントは、きっとすぐそばにあります。
事例①:80代女性、再びおしゃれを楽しむ

東京都大田区に住む82歳のAさんは、長年連れ添ったご主人を亡くしてから気力を失いがちでした。
家にこもる日が増え、外出するのは週に一度の買い物程度。
しかし娘さんに誘われて参加した地域の「シニア向けメイク講座」が大きな転機になりました。 「最初は恥ずかしかったんですけど、先生に軽く口紅をひいてもらっただけで気持ちが明るくなって。翌日、鏡の前でまた口紅を塗ってみたんです」
それ以来、Aさんは散歩や買い物に行くときにも軽くお化粧を楽しむように。
「声をかけられることも増えて、また外へ出るのが楽しみになりました」と笑顔で話します。
事例②:離れて暮らす息子が選んだ「見守りサービス」

千葉に住む60代のBさんは、遠く北海道で一人暮らしをする85歳のお母様のことが心配でたまりませんでした。
数年前に軽い脳梗塞を起こしてから、再発リスクも不安材料の一つ。
そんなとき知ったのが、見守りセンサーと定期安否確認のサービス。
「最初は機械的すぎるかなと思ったけど、母の家で何か異常があればすぐ電話が来るのは本当に安心です。実際、早朝に動きがないって連絡が入ったときは、ただ寝坊してただけでしたけど(笑)、それでもやっぱりありがたいです」 お母様自身も「子どもに何かあったらって心配かけたくないから」と、逆に積極的に導入を希望されたそうです。
事例③:シニア向け農園ボランティアで変わった日常

埼玉の郊外に住む78歳のCさんは、退職後「何をしていいかわからない」と毎日昼前まで寝てしまう生活が続いていました。
そんなとき、地元の役所から届いた広報誌で見つけたのが、農園ボランティアの募集です。
「正直、腰も悪いし続かないだろうと思ったけど、一回だけでもって参加してみたんです」
すると同年代の仲間が温かく迎えてくれて、野菜を育てる楽しさに加え、作業後に一緒に飲むお茶の時間が何よりの楽しみになりました。
今では週2回通い、家にいた頃よりも顔色がよくなったと娘さんも喜んでいるそうです。
FAQ(よくある質問)
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Q1. 高齢の親が最近外出を嫌がるようになりました。どう声をかけたらいいですか?
A.
無理に「外に出なきゃダメだよ」と急かすのは逆効果です。
「一緒に近所まで歩こうか」「今日は天気がいいからちょっと散歩しようか」など、まずは短時間でも良いので“楽しそうな予定”に誘うのがおすすめです。
地域のサロンや体操教室、趣味の講座などを一緒に見学してみるのも良いきっかけになります。
Q2. 親が一人暮らしで遠方に住んでいるのですが、何かあった時が心配です。
A.
見守りセンサーや定期連絡サービスを導入する方が増えています。
また、地域包括支援センターに相談すれば、見守りや生活支援の情報を教えてもらえます。
離れていても「何かあったら誰かがすぐ駆けつけてくれる体制」をつくることが、親にも子ども世代にも安心につながります。
Q3. もし将来施設やサービス付き住宅に入るとき、保証人が必要って聞きました。どうしたらいい?
A.
身元保証サービスを利用すれば、家族の代わりに保証を引き受けてもらえます。
さらに安否確認や生活相談、葬儀・供養の手配までまとめてお願いできるプランも多いです。
「子どもに負担をかけたくない」「身寄りが遠方にしかいない」という方に選ばれています。
Q4. 自分らしい老後を送るために、家族として今からできることはありますか?
A.
まずは日常会話の中で「もしもの時はどうしたい?」「老後に楽しみたいことってある?」と軽い気持ちで話をしてみてください。
資金のことや家のこと、健康のことなど、気になることを少しずつ共有しておくといざという時に慌てずに済みます。
また地域のセミナーや専門家の無料相談会に家族で参加してみるのもおすすめです。
まとめ 〜自分らしく生きる老後を、私たちと一緒に〜

高齢期は決して「我慢」や「諦め」の時期ではありません。
むしろこれまで頑張ってきた自分をいたわり、新しい楽しみや安心を選び取っていける大切な時間です。
今回のコラムでは、最新の動きや身近な実例を通して、豊かな老後を叶えるためのヒントをお伝えしました。
小さなきっかけで、暮らしは驚くほど前向きに変わります。
株式会社昇永とグループ企業・微笑堂について
私たち 株式会社昇永 は、
- 遺品整理や生前整理
- 不動産・住み替えのサポート
- 生活支援に関する相談窓口
を通じて、高齢者やそのご家族が安心して「自分らしい老後」を選べるお手伝いをしています。
また、グループ企業である 微笑堂 では、
- 身元保証サービス
- 生活支援サービス
- 仏壇・墓じまい、供養
といった分野で、専門スタッフが心を込めて対応しています。
ご本人はもちろん、ご家族が遠方にいらっしゃる場合でも安心して任せていただける体制を整えております。
「まだまだ元気だけど、将来のことがちょっと心配」
「親の暮らしを、そっと支える方法を知りたい」
そんな時はぜひお気軽にご相談ください。
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🌸 これからも、もっと自由に、もっと自分らしく。
そのお手伝いができることを、私たちは心から願っています。