高齢者との旅行は思い出作りの貴重な機会ですが、足腰への負担を考えると、ためらってしまうことも少なくありません。
しかし「歩かない旅行」なら、移動の負担を最小限に抑えつつ、豊かな体験を共有できるでしょう。
実際に、バリアフリー対応の観光地や宿泊施設は年々増加しており、車いすでも楽しめるスポットも全国各地に広がっています。
本記事では、高齢者と安心して楽しめる「歩かない旅行」の基本から、地域別のおすすめスポット、専門ツアー情報まで詳しく紹介します。
介護中のご家族との外出を検討されている方や、ご高齢の親との思い出作りを考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
高齢者向け歩かない旅行の基本と選び方

高齢者の旅行は、事前の計画が大切です。
ここでは、足腰への負担を最小限におさえ、ゆったりとした時間を過ごすための「歩かない旅行」の基本的な考え方を紹介します。
- 高齢者の「歩かない旅行」に適した交通手段
- 季節別・体調別の旅行計画のコツ
これらのポイントを押さえれば、高齢者の方も同行する家族も、安心して楽しめる旅行が実現できるでしょう。
高齢者の「歩かない旅行」に適した交通手段
高齢者の歩行負担を減らすためには、適切な交通手段の選択が重要です。
【自家用車の利用】
自家用車は、他人に気兼ねなく、休憩や寄り道が自由にできるため、ストレスの少ない移動が可能です。
【公共交通機関の活用】
バスや電車などの公共交通機関を利用する際は、バリアフリー対応の路線や車両を選ぶと安心です。また、乗り換えの少ないルートを選びましょう。新幹線や特急列車は、移動時間が短く、座席も広いため快適です。飛行機も便利ですが、空港までの移動や搭乗手続きに時間がかかる場合があるので、注意が必要です。
【バスツアーの利用】
観光バスツアー乗り換えなしで観光地を巡れるため、高齢者におすすめです。広々とした車内で運転の心配なく観光地を巡れ、多くのバスにはバリアフリー対応やトイレも完備されています。移動中の体調不良リスクも低減されるため、安心して旅行を楽しめるでしょう。
【福祉タクシーの利用】
車いす対応の福祉タクシーは、乗降がスムーズで、観光地のバリアフリー情報にも詳しく安心です。専門の車両とドライバーが用意され、医療や介護の知識を持ったドライバーが対応してくれるため、突然の体調不良にも適切に対応してもらえます。また、旅行先でも同行してもらえるサービスもあり、安心感が違います。
【関連記事】介護タクシーと福祉タクシーの違いを徹底解説!料金・サービス・利用条件を比較
これらの交通手段を組み合わせることで、高齢者の歩行負担を軽減し、快適な旅行を実現できます。
季節別・体調別の旅行計画のコツ
高齢者が快適に旅行を楽しむためには、季節や体調に合わせた計画が重要です。
【季節の選択】
夏場は暑さによる体力消耗を避けるため、早朝や夕方の涼しい時間帯に行動し、冷房の効いた施設での休憩を多めに取りましょう。冬場は寒さによる体調悪化を防ぐため、暖かい服装と防寒対策を十分におこない、温泉地などの屋内で楽しめる場所を選ぶと良いでしょう。混雑を避けるために、平日やオフシーズンの旅行を検討すると、ゆったりと過ごせます。
【体調管理】
高齢者の普段の生活リズムを尊重したスケジュールを組むことが大切です。無理のない行程で、休憩時間を多めに確保し、体調に合わせて予定を調整できる柔軟性を持たせましょう。また、持病がある場合は、旅行前に医師に相談し、必要な薬を十分に持参することも忘れないでください。
【スケジュールの余裕】
旅行計画を立てる際は、スケジュールに余裕を持たせることが最も重要です。分刻みでたくさんの予定を入れず、不測の事態に対応できるよう時間的余裕を確保しましょう。また、移動範囲を広くしないことも大切です。移動範囲が広いと歩く距離も長くなり疲労が蓄積するため、回る観光地やコースを厳選することをおすすめします。
これらのポイントを考慮して計画を立てることで、高齢者が安心して旅行を楽しむことができるでしょう。
地域別!高齢者におすすめの歩かない旅行スポット

全国各地には、高齢者の方でも楽しめる「歩かない旅行」スポットが数多く存在します。
地域ごとの特色ある観光地や施設を紹介します。
- 関東で歩かない旅行スポット
- 関西で歩かない旅行スポット
- 九州・中国地方で歩かない旅行スポット
- 東海エリアで歩かない旅行スポット
それでは、各地域のおすすめスポットを詳しくみていきましょう。
関東で歩かない旅行スポット
関東地方には、移動の負担が少ない観光地が多く存在します。
バリアフリー設備が整った施設や、ゆったりと過ごせる場所を中心に紹介します。
1. 浅草(東京都)

浅草は、雷門や浅草寺などの歴史的な名所が集まるエリアです。エレベーターやスロープが整備されており、車いすの方でも安心して観光できます。仲見世通りは段差がなく、車両も入ってこないので安全に通行できるでしょう。また、2012年にオープンした「浅草文化観光センター」には、多機能トイレが各階に設置され、8階の展望テラスからは東京スカイツリーと浅草寺の眺望が楽しめます。浅草周辺では、水上バスも車いす対応しており、隅田川観光遊覧もおすすめです。
2. 東京スカイツリー(東京都)

東京スカイツリーは、エレベーターで350mの天望デッキまで上がれ、館内もバリアフリー設計です。各フロアに自動扉付き多機能トイレがあり、電動車いす使用者の眺望も良好です。周辺の「東京ソラマチ」も全店バリアフリーで「すみだ水族館」は電動車いす使用者の観覧動線が確保されています。アクセスも複数の駅から直結しており、雨風を気にせず移動できます。
3. 箱根(神奈川県)

箱根は、温泉地として有名で、多くの宿泊施設がバリアフリー対応をしています。ケーブルカーやロープウェイを利用して、歩行を最小限に抑えながら美しい景色を堪能できるでしょう。箱根登山鉄道のケーブルカーは車いす対応しており、芦ノ湖では遊覧船「箱根海賊船」も車いすで乗船可能です。箱根美術館や彫刻の森美術館など、バリアフリー対応の文化施設も充実しています。
4. 伊香保温泉(群馬県)

【出典】伊香保温泉 ホテル天坊【公式】
伊香保温泉の「ホテル天坊」では、車いすのまま入室できる客室や、手すり付きの貸切風呂を完備しています。浴槽入口に手すりがついたユニバーサルデザインの貸切風呂は、背もたれ付きのシャワーチェアも用意されており、足腰の悪い方でも安心して利用できます。また、車いすのまま入室できる宴会場もあり、食事も無理なく楽しめるでしょう。
これらのスポットは、歩行距離が少なく、高齢者にも優しい環境が整っています。
関西で歩かない旅行スポット
関西地方にも、高齢者が楽しめるスポットが多数あります。
歴史的建造物から近代的な施設まで、バリアフリー対応が進んでいます。
1. 大阪城(大阪府)

大阪城は、国内でも数少ない完全バリアフリーの天守閣です。地上から1階までの専用エレベーターと、1階から8階までの館内エレベーターがあり、移動に制約のある方向けの専用エレベーターも設置されています。天守閣2階には多機能トイレがあり、オストメイト用設備や多目的シートも完備。大阪城公園内にはロードトレインやエレクトリックカーが運行しており、車いす用昇降機・スロープ設置で車いすのまま乗車可能です。
2. 京都鉄道博物館(京都府)

京都鉄道博物館は、小さなお子様からご高齢の方まで、すべての人が安心・安全に楽しめるよう配慮されています。エントランスホールでは無料で車いすを貸し出しており、館内には車いす用のスロープや多目的トイレが設置されています。展示スペースも広々としており、ゆったりと鉄道の歴史や車両を見学できるでしょう。
3. 神戸ハーバーランド(兵庫県)

神戸ハーバーランドは、ショッピングや食事を楽しめる複合施設が集まるエリアです。平坦な道が多く、移動しやすい環境が整っています。「神戸ユニバーサルツーリズムセンター」では、高齢者や障がいがある方が安心して観光するために必要なサービスを電話一本で手配可能。介助タクシーやヘルパーの手配、バリアフリーの観光施設やレストランの案内など、様々なサポートを提供しています。ポートループバス(連接バス)を使えば、新神戸駅から神戸を代表する観光スポットのウォーターフロントエリアを楽に巡ることができます。
4. 嵯峨野トロッコ列車(京都府)

京都の嵯峨野トロッコ列車は、保津峡の美しい景色を楽しめる観光列車です。車いす対応の専用車両があり、事前予約で利用可能です。トロッコ嵯峨駅と亀岡駅にはバリアフリートイレが設置されており、駅員のサポートも充実しています。約25分の乗車時間で、四季折々の自然景観を車窓から楽しむことができ、歩く負担なく京都の美しい風景を堪能できるでしょう。
これらの場所では、移動手段や施設の工夫により、快適に過ごすことができます。
九州・中国地方で歩かない旅行スポット
九州・中国地方では、温泉地や自然豊かな観光地が人気です。
1. 太宰府天満宮(福岡県)

太宰府天満宮では、車いすのレンタルを無料でおこなっています。境内入り口にある案内所か社務所で借りられ、バリアフリー通路になっているルートが用意されています。心字池にかかる太鼓橋には階段がありますが、向かって左側の池のほとり沿いに、迂回できる道があるので進みましょう。西鉄太宰府駅前から続く参道も、石畳ではありますが段差はなく、車両も入ってこないので安心して通れます。車いす対応のお手洗いは、境内入り口の案内所、九州国立博物館アクセストンネル手前、本殿の左手奥にある休憩所に設置されています。
2. 別府温泉(大分県)

別府温泉には、バリアフリー対応の宿泊施設が充実。「西鉄リゾートイン別府」は別府駅から歩いて8分の海沿いにあり、館内にはバリアフリー用トイレやバリアフリールームが完備されています。また「別府パストラル」は全体的にバリアフリー度の高いフラットな造りで、露天風呂付き客室も用意されています。さらに、補助犬との宿泊も可能。車いすのままでも安心なテーブル席で豪華な食事も楽しめます。別府地獄めぐりでは、観光バスを利用して効率よく温泉地を巡ることができ、各地獄にはスロープや多目的トイレが設置されています。
3. 宮島・厳島神社(広島県)

宮島へ向かうフェリーは「JR宮島連絡船」と「宮島松大汽船」の2社が運航しており、どちらもバリアフリーに対応しています。宮島桟橋にある「宮島港桟橋内観光所案内所」では、約15台の車いすを無料で貸し出しており、桟橋内には障害者用トイレも設置されています。厳島神社内の境内はすべて段差が解消されており、車いすでも快適に拝観できるでしょう。身障者手帳を提示すると入場料が300円から100円に割引されます。宮島内の宮島歴史民俗資料館や宮島水族館もバリアフリー対応しており、表参道商店街も舗装されていて車いすでも楽に通行できます。
4. 阿蘇山(熊本県)

阿蘇山では、ロープウェイを使って山頂まで行くことができ、雄大な景色を楽しめます。阿蘇山西駅と山頂駅はバリアフリー対応しており、車いすでもスムーズに乗降可能。山頂の火口見学エリアには、車いす対応の展望デッキが設置されており、活火山の迫力を安全に体感できます。また、阿蘇ファームランドなどの周辺施設もバリアフリー化が進んでおり、温泉や食事を楽しめるでしょう。
これらの場所は、高齢者の方でも安心して訪れることができる、バリアフリー対応が整った観光スポットです。
東海エリアで歩かない旅行スポット
東海エリアでは、歴史的な観光地や自然豊かなスポットが楽しめます。
1. 名古屋城(愛知県)

名古屋城では、2024年現在、天守閣は改修工事中ですが、本丸御殿を見学することができます。本丸御殿はスロープを通って中に入ることができ、車いすのタイヤを拭いてそのまま入ることも、貸出用の車いすに移乗して利用することも可能です。御殿内の通路は畳シートで保護されており、段差なく見学できます。城内は固い砂の道で車いすでも問題なく走行でき、各エリアに車いす対応トイレが設置されています。障害者手帳を提示すると介助者2名まで無料で入場できるのも嬉しいポイントです。
2. 熱田神宮(愛知県)

熱田神宮は「草薙神剣」が祀られている神社として知られています。境内は正門(南門)から入ると砂利道となっているため、車いす利用の方は舗装路のある東西の各門から入るとスムーズです。スロープが設置されているため、車いす利用の方でも拝殿のすぐ近くで参拝ができるでしょう。御祈祷をおこなう「神楽殿」はフラットな作りになっているため、車いす利用の方でも入れます。境内で一般の参拝者が利用できる多目的トイレは「くさなぎ広場」に設置されています。
3. なばなの里(三重県)

【出典】ナガシマリゾート「なばなの里」
なばなの里では、車いすは無料で借りることができます。入場ゲートで受付をすればすぐに準備してくれますが、車いすは20台しかなく事前予約ができないため、混雑時は早めの来園がおすすめです。施設内には8箇所の身障者トイレがあり、花市場(2箇所)、ビール園(1箇所)、花ひろば(1箇所)、村の市前(1箇所)、ゲート前(1箇所)、ベゴニア(1箇所)、翡翠(1箇所)に設置されています。園内はバリアフリー対応がされており、季節ごとの花々やイルミネーションを車いすでも安心して楽しむことができます。
4. 伊豆(静岡県)

静岡県の伊豆では、観光列車や遊覧船を利用して、海岸線の絶景が楽しめます。「伊豆クレイル」などの観光列車は、大きな窓から伊豆の美しい景色を眺められ、車いすスペースも確保されています。また、熱海や伊東などの温泉地には、バリアフリー対応の宿泊施設が多数あり、温泉を楽しみながらゆっくりと過ごせるでしょう。伊豆シャボテン動物公園や伊豆ぐらんぱる公園などのテーマパークもバリアフリー対応が進んでおり、家族で楽しめるスポットが充実しています。
これらの地域別おすすめスポットを参考に、高齢者の方でも楽しめる「歩かない旅行」プランを立ててみてはいかがでしょうか。
高齢者向け「歩かない旅行」のおすすめツアー

高齢者向けの旅行ツアー選びでは、移動支援やバリアフリー設備の充実度が重要です。
主要旅行会社が提供する専門ツアーの特徴を比較し、実際の利用者が安心して参加できるプランを厳選しました。
【クラブツーリズムの大人のゆるり旅・ツアー】
クラブツーリズムの「大人のゆるり旅」シリーズは、高齢者の方々が安心して楽しめるツアーを提供しています。
主な特徴は以下のとおりです。
- 参加者の60%以上が75歳以上
- 「75歳以上限定の日」の出発日も設定
- 添乗員が同行し旅行をサポート
- トイレ付きバスでの案内
- 歩行距離の短い観光地の選定や乗り物利用で負担を軽減
- 宿泊はベッドの部屋を確約
- 食事は椅子テーブル席を確約
ただし、「大人のゆるり旅」は介護付きツアーではないため、個別の介護が必要な方は、次の【介護が必要な方と一緒に楽しめる専門ツアー】を検討することをおすすめします。
【介護が必要な方と一緒に楽しめる専門ツアー】
要介護者向けツアーでは、NPO法人しゃらくが提供する「看護・介護付きオーダーメイド旅行」が代表的です。看護師と介護士が同行し、海外を含む完全個別プランを設計可能で、利用者の93%が要介護3~5の方というデータがあります5。株式会社あんしんトラベルでは、排泄介助から薬剤管理までを含む「旅行・外出支援パック」を提供(1日あたり25,000円~)。
<主要プランの特徴比較>
項目 | NPOしゃらく | あんしんトラベル | 日本介護トラベルサービス |
---|---|---|---|
介護度 | 要介護3~5 | 要介護1~5 | 要介護1~5 |
同行者 | 看護師+介護士 | 介護ヘルパー | 介護スタッフ |
移動手段 | 自家用車改装など | 介護タクシー | |
福祉タクシー | 介護タクシー | ||
食事対応 | 経管栄養対応 | きざみ食対応 | きざみ食・ミキサー食対応 |
※2025年2月時点の主要3社比較
申し込み時には、必ず「介護計画書」の提出が必要で、旅行前の健康診断書(3ヶ月以内)の準備が求められます。
介護中の家族と楽しむ「歩かない旅行」プラン

介護中の家族旅行は、事前の準備と計画が大切です。ここでは、日帰りと宿泊の場合に分けて、「歩かない旅行」プランのポイントをご紹介します。
- 日帰りの場合
- 宿泊する場合
それぞれのプランの注意点と、おすすめの過ごし方を詳しく見ていきましょう。
日帰りの場合
日帰り旅行は、移動や準備の負担が少なく、介護が必要な方との初めての旅行にもおすすめです。
ポイントは、午前中に出発し、ゆったりとした昼食を楽しみ、午後の早い時間に帰宅する、無理のないスケジュールです。
移動手段は、ご家族の状況に合わせて、自家用車や介護タクシーを検討しましょう。
公共交通機関を利用する場合は、事前にバリアフリー情報を確認し、乗り換えの少ないルートを選ぶことが重要です。
目的地は、短時間でも楽しめる場所、例えば、車いすでの鑑賞がしやすい美術館・博物館・庭園などがおすすめです。
昼食は、事前に予約可能なレストランやホテルのランチを選ぶと、待ち時間なく、落ち着いて食事を楽しめます。
宿泊する場合
宿泊をともなう旅行は、時間的な余裕が生まれ、温泉や食事など、より多くの体験を共有できます。
大切なのは、バリアフリー対応の客室や、貸切風呂を備えた旅館やホテルを選ぶことです。
事前に部屋の設備、食事の内容や量、アレルギー対応などを確認し、不安な点は相談しておきましょう。
長距離移動の場合は、自家用車だけでなく、新幹線や特急列車の利用も検討し、こまめな休憩を挟むように計画します。
観光は、宿泊施設の周辺に絞ることで、移動の負担を減らし、ゆったりとした時間を過ごせます。
夕食は、旅館やホテルの部屋食を選ぶと、周囲を気にせず、家族水入らずの時間を満喫できるでしょう。
歩かない旅行でも楽しめるアクティビティ

歩くことが少なくても、旅先ではさまざまな楽しみ方ができます。
ここでは、屋内外を問わず、高齢者におすすめのアクティビティを紹介します。
- 室内アクティビティ
- 屋外アクティビティ
- その他のアクティビティ
それぞれの具体的な内容と、楽しみ方のポイントをみていきましょう。
室内アクティビティ
高齢者でも室内でゆったり楽しめる観光スポットがあります。
例えば、高層ビルの展望台はエレベーターで上階まで行け、座って景色を眺められるため人気です。
東京タワーでは入口から展望台までバリアフリーで移動でき、車いすの貸し出しも用意されています。
また、美術館もおすすめの室内スポットです。
アート鑑賞は歩き回る距離が少なく、展示室にはベンチもあるため、疲れに応じて休憩しながら楽しめます。
実際、箱根のガラスの森美術館や彫刻の森美術館などは、高齢の旅行者にも芸術鑑賞を身近に楽しめる施設として好評です。
さらに、伝統工芸の体験教室も高齢者に喜ばれるアクティビティです。
例えば金沢の金箔工芸館では、職人の実演見学や簡単な金箔貼り体験を座って体験できます。
同館は館内にエレベーターが設置されており、高齢者や車いす利用者でも各フロアを移動しやすく配慮されています。
このように、展望台や美術館、伝統工芸の体験教室といった室内観光なら天候に左右されず、歩行も最小限なため充実した時間が過ごせるでしょう。
屋外アクティビティ
高齢者でも歩行を極力抑えて楽しめる屋外観光が可能です。
例えば、傾斜地や山頂の景勝地ではエレベーター付きのケーブルカーやロープウェイを活用すると便利です。
京都の天橋立ビューランドではケーブルカーで展望台まで登れ、日本三景の絶景を座ったまま一望できます。
移動自体を楽しむなら遊覧船クルーズもおすすめです。
クルーズ船は移動中に立ち歩く必要がほとんどなく、バスや電車のように頻繁な乗り降りもないため、体力を使わず各地の景観を満喫できます。
また、景色を眺めながら移動できる観光列車やバスも人気です。
車窓からの風景を楽しめる特急列車やオープンバスの観光ツアーなら、歩かずして名所巡りが可能です。
例えば伊豆方面の観光特急「サフィール踊り子号」には車いす固定席やバリアフリートイレが備わっており、座ったまま安心して移動できます。
このような乗り物を利用した観光なら、高齢の方も、屋外の美しい風景や名所を無理なく楽しめるでしょう。
その他のアクティビティ
歩行を控えつつ楽しめるユニークな体験も多くあります。
中でも定番なのが温泉でのんびり過ごすプランです。
温泉地は高齢者にも根強い人気があり、湯治やマッサージなど健康志向の滞在を好むシニア層も多いです。
最近はバリアフリー対応の温泉宿も増え、玄関や大浴場にスロープがある施設もあります。
大浴場の移動や入浴に不安がある場合は、部屋に内風呂(ユニットバスや客室露天風呂)が付いた宿を選ぶのも一案です。
そうすれば部屋から出ずに好きな時間に温泉を楽しめ、移動の負担がありません。
また、宿そのものを観光スポットとして楽しむ方法もあります。
バリアフリー対応の旅館の中には館内に土産物店や郷土資料のギャラリーを備え、宿にいながら地域の文化に触れられる工夫をしている所もあります。
移動に疲れたら宿で卓球やカラオケなどの娯楽を楽しんだり、客室で景色を眺めながらお茶を飲んだりするのも良いでしょう。
さらに希望があれば、土地の伝統芸能の鑑賞や茶道のミニ体験など、座って参加できる文化プログラムに参加するのもおすすめです。
例えば旅館によっては夜に地元の舞踊ショーを開催したり、日中に抹茶の茶道体験を催していたりします。
いずれも座った状態で楽しめるため、高齢の旅行者にとって負担が少なく思い出深い体験となるでしょう。
高齢者の歩かない旅行で注意すべきポイント

高齢者の「歩かない旅行」を安全に楽しむためには、いくつかの注意点があります。ここでは、特に重要なポイントをまとめました。
- 事前の健康チェックと医師への相談
- バリアフリー情報の事前確認方法
- 必要な持ち物と準備リスト
- 緊急時の対応と保険の確認
それぞれ、詳しく確認していきましょう。
事前の健康チェックと医師への相談
高齢者の旅行では、事前の健康チェックが非常に重要です。
旅行の2〜4週間前に健康診断を受け、主治医に旅行計画を相談しましょう。
持病がある場合は、旅行に適した体調かどうかを確認し、必要な薬の処方や注意事項を確認します。
また、旅行先が海外の場合は、英語(または渡航先の言語)で病状や服用薬を説明した文書を準備すると安心です。
バリアフリー情報の事前確認方法
旅行先のバリアフリー情報を事前に確認することが重要です。
以下の方法で情報を収集できます。
- 各自治体が作成しているバリアフリー情報サイトの確認
- バリアフリーマップの活用
- 宿泊施設や観光地への直接問い合わせ
- 旅行会社のバリアフリー対応ツアーの利用
特に、エレベーターの有無、トイレの状況、段差の有無などを重点的にチェックしましょう。
必要な持ち物と準備リスト
高齢者の旅行に必要な持ち物リストを、表にまとめました。
移動補助具 | 杖・歩行器・車いす(必要な場合) |
---|---|
基本的な持ち物 | 着替え・洗面用具・雨具・防寒具 |
医療関連 | 常備薬・処方薬(余分)、お薬手帳、体温計・血圧計 |
証明書類 | 保険証・障害者手帳(該当する場合)、緊急連絡先リスト |
快適に過ごすために | 水分補給グッズ、着脱しやすい衣服 |
これらの注意点を押さえて、安全で快適な旅行を楽しみましょう。
緊急時の対応と保険の確認
旅行中に体調が悪化したり、ケガをしたりした場合に備え、緊急時の対応について事前に確認しておきましょう。
宿泊施設のフロントや、同行者に、緊急連絡先を伝えておくと安心です。
万が一の事態に備え、旅行保険への加入も検討しましょう。
旅行保険には、病気やケガの治療費を補償するだけでなく、救援者費用や、賠償責任を補償するタイプもあります。
高齢者の「歩かない旅行」に関する質問(FAQ)
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高齢者の歩かない旅行に関して、多くの方が疑問に思われる点を、ここでは3つまとめました。
- 車いす利用者でも楽しめる観光地はありますか?
- 高齢者向け旅行の適切な日数はどれくらいですか?
- 介護保険サービスを旅行中も利用できますか?
それでは、これらの質問に回答します。
車いす利用者でも楽しめる観光地はありますか?
はい、日本国内には車いす利用者でも楽しめる観光地が多数あります。
主要な観光地ではバリアフリートイレや、車いす貸出サービスを提供している施設も増えています。
例えば、東京では「東京都アクセシブル・ツーリズムポータルサイト」が提供する情報を活用して、アクセスしやすい観光スポットや施設を探すことができます。
このプラットフォームでは、観光モデルコースの情報が充実しており、訪れる前にしっかりと確認できるため安心です。
旅行前に各施設のバリアフリー情報を確認すると安心です。
高齢者向け旅行の適切な日数はどれくらいですか?
高齢者向けの旅行日数は、個々の体力や健康状態によりますが、初めての旅行や体力に不安がある場合は、日帰り・1泊2日程度の短期間から始めるのが一般的です。
慣れてきたら、徐々に日数を増やすことも検討できます。
介護保険サービスを旅行中も利用できますか?
原則として、旅行先で介護保険サービスを利用することはできません。
介護保険サービスは、利用者の自宅や、指定された施設でのみ利用できるためです。
ただし、旅行中に介護サービスを受けるための代替手段が、いくつか存在します。
【トラベルヘルパー】
介護技術と旅行の知識を持つ専門家で、旅行中の介護サポートを提供します。
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【介護タクシー・福祉タクシー】
移動の際に利用でき、一部のサービスは介護保険が適用される場合があります。
【関連記事】介護タクシーと福祉タクシーの違いを徹底解説!料金・サービス・利用条件を比較
【ショートステイ】
旅行先の施設でショートステイを利用する方法もあります。
これらのポイントを踏まえ、ご家族一人ひとりの状況に合わせて丁寧に準備することで、安心で楽しい旅行が実現できるでしょう。
【まとめ】高齢者との歩かない旅行で得られる健康と幸せ

本記事では、高齢者向けの「歩かない旅行」について、さまざまな角度から紹介しました。
適切な計画と準備をすれば、体力に自信がない方や、介護が必要な方でも、安心して旅行ができるでしょう。
美しい景色を眺めたり、温泉でくつろいだり、美味しい食事を味わったりすることは、心身の健康に良い影響を与えます。
また、家族や友人との旅行は、コミュニケーションを深め、絆を強める良い機会となります。
「歩かない旅行」を通じて、高齢者の方が、より豊かな人生を送るための一助となれば幸いです。
ぜひ、安全で楽しい「歩かない旅行」を計画し、かけがえのない思い出を作りましょう。
旅行の計画と一緒に、これからの安心も考えませんか?

「歩かない旅行」のように、ゆとりある素敵な時間を過ごす計画は、ご自身や大切なご家族の心豊かな暮らしにつながりますね。
そんな楽しい計画を進める中で、ふと、
- 「旅行の準備もあるけれど、家の片付けも気になっている…」
- 「旅行から帰ってきたのに、散らかった家に戻るとテンションが落ちる…」
- 「将来、もし介護が必要になったら?住み慣れた家はどうしよう?」
- 「親のこれからの生活、専門的な視点で相談できる人はいないかな?」
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