老人ホームに入れるお金がない時の対処法7選|使える制度・安い施設・資金の作り方を徹底解説

親の老人ホーム費用について、「施設入居のための資金がなくてどうしたらいいかわからない」「この先、支払いを続けていけるだろうか」と、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

施設入居にかかる費用は決して小さなものではありませんが、利用できる公的な制度や、比較的費用を抑えやすい施設を知ることで、負担を軽減できる可能性があります。

たとえば、月額5万円台から入居できる公的施設を検討したり、「負担限度額認定制度」を利用して食費や居住費の負担を抑えたりする方法があります。また、経済的にどうしても難しい場合には、生活保護を含めた支援制度を検討することもできます。

大切なのは、「お金がないから老人ホームへの入居は難しい」とすぐに諦めてしまわず、ご家庭の状況に合った方法を一つずつ探していくことです。

この記事では、老人ホームの費用負担を抑えるために知っておきたい7つの方法をご紹介します。
親の介護費用に悩んでいる方や、施設探しがなかなか進まず困っている方は、ぜひ参考にしてください。

また、当社(株式会社昇永(しょうえい))では、お一人おひとりの状況を詳しくお伺いし、最適な施設を紹介することもできます。紹介料はいただかず、無料でご利用いただけるサービスですので、お困りの方はどうぞお気軽に「お問い合わせフォーム」から無料相談をお申し込みください。

お電話の方はこちら
営業時間 平日9:00〜18:00

Tel. 0120-106-460

老人ホームの費用が払えないとどうなる?まず知っておくべきこと

老人ホームの費用が払えないとどうなる

「親の介護費用が足りない」

「施設に入れたいけれど、お金がない」

介護がいつまで続くのかわからないなかで、施設にかかる費用について不安を抱えているご家族は少なくありません。「もし費用を支払えなくなったら、どうしよう…」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。そのような場合でも、すぐに諦めるのではなく、まずは施設への相談や利用できる制度の確認など、状況に応じてできることがあります。

大切なのは、費用の支払いが難しくなったときにどうなるのかを知り、早めに必要な対応を考えておくことです。まずは「もしも、そうなったらどうなるのか」を正しく知り、落ち着いて対処するための準備を整えましょう。

即日退去にはならない|猶予期間と手続きの流れ

もしも、老人ホームの月額費用を滞納したとしても、すぐに退去を求められることはありません。施設によっては、一定の猶予期間が設けられています。

この猶予期間は、入居時に交わした契約書や重要事項説明書に記載されています。
まずは書類を確認してみてください。

滞納が発生した場合の一般的な流れは次のとおりです。

  1. 施設から入居者本人または家族へ支払いの督促が届く
  2. 猶予期間のうちに支払い方法を相談する
  3. 猶予期間を過ぎても支払いの見通しが立たない場合、退去勧告が出される
  4. それでも解決しない場合、強制退去に至る可能性がある

しかし、いきなり強制退去になるとは限りません。施設側もできる限り入居者の生活を守ろうとします。大切なのは、支払いが厳しいと感じた時点で早めに相談することです。担当のケアマネジャーや施設の生活相談員に状況を伝えましょう。

一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが解決への第一歩になります。

費用は誰が負担する?親の資産確認と扶養義務の基本

介護施設の費用は、まず親本人の年金や預貯金から支払うのが原則です。「子どもが全額負担しなければならない」と思い込む必要はありません。民法877条では、直系血族および兄弟姉妹に扶養義務があると定められています。

ただし、この扶養義務には限界があります。自分の生活を犠牲にしてまで負担する義務はありません。(※ここでの扶養義務は「自分の生活水準を落とさずに援助できる範囲の義務(生活扶助義務)」を指します。子が借金をしてまで親の介護費用を肩代わりするような法的義務を負うものではありません。)

参考: Wikibooks「民法第877条」 参考:丹有法律事務所「子は父母を扶養すべきか」

費用負担を考える際に確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • 親本人の収入:年金の受給額(国民年金・厚生年金)を正確に把握する
  • 親本人の資産:預貯金・不動産・有価証券などの資産を確認する
  • 扶養義務の範囲:子の扶養義務は「余力の範囲内」で果たせばよい
  • 兄弟間の分担:民法877条により兄弟姉妹にも扶養義務があるため、費用分担を話し合う

特に兄弟間での話し合いは早めにおこなうことが重要です。一人っ子の場合でも、公的制度を活用すれば負担を大きく軽減できます。ここまでは「すでに入居中で費用が払えなくなった場合」の対処を解説しました。

しかし実際には、「これから親を施設に入れたいが、そもそもお金が足りない」と悩んでいる方のほうが多いのではないでしょうか。ここから先は、お金がなくても入居できる施設の探し方や、費用を抑えるための7つの具体的な対処法を順番に解説していきます。

【対処法①②③】お金がなくても入れる老人ホーム・施設の選び方

お金がなくても入れる老人ホームやその他の施設

「手元にお金がなくても、親を入れてくれる介護施設は本当にあるの?」

費用に不安を感じている方にとって、気になることの一つではないでしょうか。

老人ホームというと高額な費用がかかるイメージがありますが、施設の種類や利用できる制度によっては、費用を抑えて入居できる場合があります。なかには、条件によって月額5万円台から利用できる施設もあり、親御さんの年金収入の範囲内で入居できる可能性もあります。

ここでは、費用を大きく抑える3つのアプローチを紹介します。

【対処法①】公的施設を優先的に検討する(特養・老健・ケアハウス)

公的な介護施設も選択肢のひとつです。民間の有料老人ホームと比べて、月額費用が大幅に安くなります。
代表的な公的施設の特徴と費用相場を以下の表にまとめました。

施設の種類入所条件月額費用の目安特徴
特別養護老人ホーム(特養)原則 要介護3以上約5〜15万円終身利用が可能。費用が最も安い
介護老人保健施設(老健)要介護1以上約8〜14万円リハビリ目的。原則3〜6ヵ月の入所
軽費老人ホーム・ケアハウス自立〜要介護約4〜15万円所得に応じた費用設定がある

特別養護老人ホーム(特養) は、費用を抑えて利用できる公的な介護施設のひとつです。介護保険が適用されるほか、所得などの条件を満たせば、食費や居住費の負担を軽減する制度を利用できる場合があります。ただし、特養は待機者が多く、地域や施設によっては入居までに時間がかかることがあります。特養への入居を希望する場合は、早めに情報を集め、申し込みを検討しておくと安心です。

介護老人保健施設(老健) は、リハビリなどを通じて在宅復帰を目指す施設です。基本的には長期入所を目的とした施設ではありませんが、退院後すぐに自宅へ戻ることが難しい場合など、一時的な入所先として利用されることがあります。

ケアハウス(軽費老人ホーム) は、家庭環境や経済的な事情などにより、自宅での生活に不安がある高齢者を支える施設です。所得に応じて利用料の負担が軽減される仕組みが設けられているため、費用面に不安がある方にとっても検討しやすい選択肢のひとつです。

【対処法②】費用が安い民間施設の特徴を知る

「公的施設は待機が長くかかり、すぐには入居できなさそう」という場合、民間施設でも費用を抑える方法があります。民間施設というと費用が高いイメージがありますが、立地や居室のタイプ、設備、サービス内容などによって費用には幅があります。条件を整理して探すことで、比較的費用を抑えられる施設が見つかることもあります。

費用が安くなりやすい民間施設には、以下の5つの特徴があります。

  1. 地方や駅から遠い立地にある:都市部よりも地方の施設のほうが家賃相当額が低い
  2. 築年数が古い:建物が古い施設は月額費用が抑えられる傾向にある
  3. 多床室(相部屋)がある:個室より居住費が安い。プライバシーとの兼ね合いを検討する
  4. 空室が多い施設:入居率を上げるために費用を下げている場合がある
  5. 入居一時金0円プラン:初期費用が不要な代わりに月額がやや高めになることもある

たとえば、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も選択肢のひとつです。施設によっては比較的月額費用を抑えられるほか、有料老人ホームと比べて初期費用の負担が少ない場合もあります。

一方で、費用だけでなく、職員の配置体制や受けられる介護サービスの内容についても確認しておくことが大切です。必要なサポートは受けられるか、安心して生活を続けられる環境かなど、できれば実際に見学し、ご本人の状態や希望に合っているかを確認しながら検討しましょう。

【対処法③】ケアマネジャー・地域包括支援センターにまず相談する

介護施設は種類が多く、費用や入居条件、受けられるサービスもそれぞれ異なるため、ご家族だけで一つひとつ比較して探すのは時間も労力もかかります。「どの施設が合っているのかわからない」「費用を抑えながら希望に合う施設を探したい」という場合は、介護に関する相談窓口を活用しながら探すのもひとつの方法です。

介護施設について相談したいときは、次のような窓口があります。

  • ケアマネジャー:
    すでに介護サービスを利用している場合は、担当のケアマネジャーに相談できます。本人の心身の状態やご家族の状況を踏まえながら、施設選びについて相談に乗ってもらえます。
  • 地域包括支援センター:
    高齢者の暮らしや介護に関する身近な相談窓口です。要介護認定を受けていない場合でも相談でき、地域の介護施設や利用できる公的支援制度について情報を得ることができます。相談は無料です。

また、民間の施設紹介サービスを利用するのも1つの方法です。希望するエリアや予算、必要な介護の内容などを伝えることで、条件に合った介護施設を紹介してもらえるサービスです。施設ごとの費用や入居条件を自分で一つひとつ調べる負担を減らせるほか、空室状況の確認や見学の調整など、実際の施設探しをサポートしてもらえる場合もあります。

「できるだけ費用を抑えたい」「限られた予算のなかで入居できる施設を探したい」といった希望も相談できるため、ご家族だけで施設探しを進めることが難しい場合にも活用できます。紹介サービスによって対応エリアや紹介できる施設、サポート内容などが異なるため、利用する際は事前に確認しておくと安心です。

相談する際は、以下の情報を事前に準備しておくとスムーズです。

準備しておく情報内容
要介護度現在の認定区分
(要支援1〜要介護5)
年金額月々の受給額
(国民年金・厚生年金)
預貯金額親本人の預貯金のおおよその金額
不動産の有無持ち家や土地があるかどうか
希望する地域入居を希望するエリア

相談先によって、施設や公的制度についての情報を得ることができます。「何から手をつければいいかわからない」という方こそ、まず相談窓口を頼ってください。

【対処法④⑤】介護費用の負担を軽減する公的減免制度を活用する

介護費用を減らす公的減免制度をつかう

施設選びとあわせて確認しておきたいのが、介護にかかる費用の負担を軽減するための公的な制度です。介護保険には、所得や資産など一定の条件を満たすことで利用できる負担軽減制度があります。ただし、対象となる場合でも自動的に適用されるとは限らず、ご本人やご家族による申請が必要な制度もあります。「利用できる制度があることを知らなかった」ということがないよう、どのような制度があるのかを確認しておきましょう。

【対処法④】食費・居住費の負担を軽減する「特定入所者介護サービス費」

「特定入所者介護サービス費」は、所得や資産が一定の基準以下の方が対象となる、介護保険施設での食費や居住費(滞在費)の負担を軽減するための制度です。対象となるのは、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院などの介護保険施設です。制度を利用するには、お住まいの市区町村へ申請し、「介護保険負担限度額認定」を受ける必要があります。所得などに応じて利用者負担段階が設定され、それぞれ食費・居住費の負担限度額が定められています。

主な利用者負担段階と負担限度額の目安は、以下のとおりです。

利用者負担段階対象者の目安食費(日額)居住費・多床室(日額)
第1段階生活保護受給者、老齢福祉年金受給者300円0円
第2段階年金収入等80万円以下、預貯金650万円以下(単身)390円430円
第3段階①年金収入等80万円超120万円以下、預貯金550万円以下(単身)650円430円
第3段階②年金収入等120万円超、預貯金500万円以下(単身)1,360円430円

※金額は2024年8月改定後の数値です。最新情報は市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。

制度を利用しない場合、食費や居住費は施設や居室の種類などによって異なりますが、食費は日額約1,400円、居住費は日額約900〜2,000円程度で、月額にすると毎月一定の負担がかかります。負担限度額認定を受けることで、所得などに応じて食費や居住費の自己負担額が抑えられ、月々の負担を数万円単位で軽減できる場合があります。

申請の手順:

  1. 市区町村の介護保険担当窓口で申請書を入手する
  2. 必要書類(預貯金の通帳写し、年金額がわかる書類など)を準備する
  3. 申請書と必要書類を窓口に提出する
  4. 認定証が交付されたら、施設に提示する

条件を満たす場合に利用できます。
対象になるかどうか不安な場合は、市区町村の窓口に確認してみましょう。

参考:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1280」

【対処法⑤】その他の減免制度(高額介護サービス費・高額医療合算・自治体独自助成)

特定入所者介護サービス費のほかにも、介護費用の負担を軽減する制度があります。利用できる制度は、所得や介護サービスの利用状況などによって異なるため、条件に該当するものがないか、あわせて確認しておきましょう。

高額介護サービス費

1ヵ月の介護サービスの自己負担額が上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。

所得区分自己負担の上限額(月額)
生活保護受給者15,000円(個人)
住民税非課税世帯(合計所得+課税年金収入80万円以下)24,600円(世帯)/15,000円(個人)
住民税非課税世帯(合計所得+課税年金収入80万円超)24,600円(世帯)
市町村民税課税〜課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)
課税所得380万円(年収約770万円)〜課税所得690万円(年収約1,160万円)未満93,000円(世帯)
課税所得690万円(年収約1,160万円)以上140,100円(世帯)

高額介護サービス費の対象となる場合は、市区町村から申請についての案内が届くことがあります。案内が届いたら、内容を確認して必要な手続きをおこないましょう。一度申請すると、その後は同じ口座へ自動的に支給される場合もあります。手続きの方法は自治体によって異なることがあるため、詳しくはお住まいの市区町村の介護保険窓口などで確認してください。

高額医療・高額介護合算制度

医療保険と介護保険の両方を利用している世帯の負担を軽減するための制度です。1年間に支払った医療費と介護サービス費の自己負担額を合算し、所得などに応じて定められた限度額を超えた場合に、その超過分が支給されます。医療費と介護費の両方の負担が大きくなっている場合は、利用できるか確認しておきたい制度です。計算期間は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間です。申請方法や申請先については、加入している医療保険の窓口や市区町村などに確認しましょう。

自治体独自の助成制度

国の制度とは別に、自治体が独自に高齢者や介護をするご家族への助成・支援制度を設けている場合もあります。たとえば、紙おむつの購入費用への助成や、介護に関連する住宅改修への独自の支援など、内容は自治体によってさまざまです。利用できる制度や対象となる条件は地域によって異なるため、お住まいの市区町村の介護・福祉に関する窓口やホームページで確認してみましょう。

【対処法⑥】生活保護で老人ホームに入る方法

生活保護で老人ホームに入る方法

さまざまな制度を利用しても介護施設の費用をまかなうことが難しい場合は、生活保護の利用を検討できることがあります。「生活保護を受給すると介護施設には入れないのでは」と思われることもありますが、生活保護を受給しながら入居できる介護施設もあります。ただし、すべての施設が対応しているわけではないため、施設を探す際には生活保護受給者の受け入れが可能かどうかを確認する必要があります。

また、年金を受給している場合でも、世帯の収入や資産などが生活保護の基準を下回り、その他の要件を満たしていれば、生活保護の対象となる可能性があります。

経済的な理由から施設への入居が難しいと感じている場合は、ご自身だけで判断せず、お住まいの地域を管轄する福祉事務所などに相談してみましょう。

生活保護の受給条件と申請の流れ

生活保護は、以下の条件をすべて満たした場合に受給できます。

  • 収入が最低生活費を下回っている:年金や就労収入を含めた世帯全体の収入で判断される
  • 資産を活用している:預貯金や不動産などの資産を生活費に充てた上で不足している
  • 働く能力を活用している:年齢や健康状態に応じた就労努力をしている
  • 扶養義務者の援助を受けられない:親族からの支援が得られない状況にある
  • 他の制度を活用済みである:年金や各種手当など、利用できる制度をすべて利用している

申請から受給開始までの流れは次のとおりです。

  1. 事前相談:市区町村の福祉事務所で現在の状況を相談する
  2. 申請:必要書類を提出して正式に申請する
  3. 調査:ケースワーカーによる家庭訪問や資産調査がおこなわれる
  4. 決定:申請から原則14日以内(最長30日以内)に可否が通知される

生活保護の利用に、ためらいや抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。生活保護は、生活に困窮した方の暮らしを支えるために法律で定められた公的な制度です。経済的に困っているときは、一人で抱え込まず、利用できる制度のひとつとして福祉事務所などに相談してみることも大切です。

参考:厚生労働省「 ****生活保護制度に関するQ&A」

生活保護でも入居できる施設とその探し方

生活保護を受給している場合でも、生活保護法の指定を受けた施設であれば入居できます。
具体的には、以下の施設が対象です。

  • 特別養護老人ホーム(特養):生活保護受給者の受け入れ実績が最も多い
  • 一部の有料老人ホーム:生活保護の方を受け入れている施設もある
  • 養護老人ホーム:経済的に困難を抱える高齢者向けの施設

生活保護を受給しながら介護施設への入居を検討する場合は、まず福祉事務所の担当ケースワーカーに相談してみましょう。本人の状況や必要な介護サービスなどに応じて、ケアマネジャーなどの関係者と連携しながら、入居先について相談を進めることができます。

また、生活保護では、預貯金や自動車などの資産について一定の要件があります。ただし、保有が認められるかどうかは資産の種類や金額、生活状況などによって判断されるため、一律に「持つことができない」というわけではありません。詳しい条件については、福祉事務所の担当者に確認しましょう。

【対処法⑦】資産を活用して入居費用を捻出する方法

資産活用で入居費用を捻出する方法

「手元の現金や年金収入だけでは介護施設の費用が心配だけれど、親名義の持ち家(実家)がある」という場合は、不動産を活用する方法も選択肢のひとつです。

自宅を売却して資金にするほか、不動産を担保に融資を受ける方法などもあります。ただし、大切な資産に関わることなので、将来の暮らしや相続への影響も考えながら、ご本人やご家族で十分に検討することが大切です。

ここでは、持ち家を活用して介護費用を準備する3つの方法をご紹介します。

1. リバースモーゲージ|自宅に住みながら融資を受ける

リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保に、金融機関から融資を受ける仕組みです。一般的な住宅ローンとは異なり、契約者が亡くなった後に自宅を売却するなどして元金を返済する商品が多く、契約中は利息のみを支払うタイプなどもあります。

メリット:

  • 自宅に住み続けながら資金を得られる
  • 毎月の返済は利息のみで済むケースが多い
  • まとまった初期費用を準備できる

デメリット:

  • 不動産の評価額が下落すると、借入可能額が減る
  • 金利変動リスクがある
  • 相続人に自宅を残せない可能性がある

リバースモーゲージは、都市部の戸建て住宅を所有している場合に有利です。一方で、マンションや地方の物件は対象外になることもあります。利用を検討する際は、複数の金融機関で条件を比較してください。契約前に家族全員で仕組みとリスクを理解しておくことが大切です。

2. 生活福祉資金貸付制度|低所得高齢者向けの公的融資

生活福祉資金貸付制度は、社会福祉協議会が実施する低所得世帯向けの公的な融資制度です。不動産を担保にした「不動産担保型生活資金」という種類があります。

項目内容
実施主体都道府県社会福祉協議会
対象者65歳以上の低所得高齢者世帯
担保居住用不動産(土地の評価額がおおむね1,500万円以上)
貸付限度額土地評価額の約70%
貸付月額月額30万円以内
金利年3%または長期プライムレートのいずれか低い方

参考:厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」 参考:政府広報オンライン「生活にお困りで一時的に資金が必要なかたへ「生活福祉資金貸付制度」があります。」

不動産担保型生活資金は、民間のリバースモーゲージと比べて、低い金利で利用できる場合があることも特徴のひとつです。利用を検討する場合は、お住まいの地域の市区町村社会福祉協議会などに相談してみましょう。申し込みから貸付までには、審査や不動産の評価などで時間がかかる場合があります。すぐに資金が必要になってからでは間に合わないこともあるため、利用を検討している場合は、早めに相談しておくと安心です。

3. 空き家となる実家を売却して施設費用に充てる

親御さんが施設へ入居すると、それまで暮らしていた実家が空き家になることがあります。

空き家になった後も、固定資産税や維持・管理のための費用はかかります。そのため、今後自宅へ戻る予定がない場合などは、実家を売却し、その資金を施設への入居費用やその後の生活費に充てることも選択肢のひとつです。

ただし、不動産の売却にはご本人の意思や不動産の名義、税金などが関係します。売却を検討する際は、次のような点を確認しておきましょう。

  • 不動産の名義を確認する:
    まずは、実家の所有者が誰になっているかを確認します。親御さん本人の名義であれば、原則として本人の意思に基づいて売却手続きを進めることになります。
  • 本人の判断能力を確認する:
    認知症などにより、ご本人が不動産売却の内容を理解して判断することが難しい場合は、そのまま売却を進めることはできません。状況によっては成年後見制度などの利用を検討する必要があります。
  • 売却にかかる税金を確認する:
    不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合は、所得税や住民税がかかることがあります。一方で、一定の要件を満たす自宅の売却では、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例を利用できる場合があります。
  • 売却するタイミングも検討する:
    マイホームを売却した際の3,000万円特別控除には、住まなくなった後に売却する場合の期限など、適用を受けるための要件があります。

参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

施設への入居によって実家が空き家になる場合は、そのままにせず、「今後自宅へ戻る可能性はあるか」「売却・賃貸・維持のどれが適しているか」をご家族で話し合い、必要に応じて不動産会社や税理士などの専門家へ相談しながら検討しましょう。

関連記事:【後悔しない】親の家を売却するときに知っておきたい手順と注意点

「施設への入居を考えているけれど、実家をどうすればいいかわからない」「売却した場合、どのくらい介護費用に充てられるのか知りたい」といった場合は、不動産についても早めに相談しておくと安心です。

当社では、介護施設のご紹介だけでなく、提携する不動産会社を通じて、ご実家などの不動産の売却や活用についてご相談いただくこともできます。施設への入居とあわせて住まいや費用についてお悩みの場合も、まずはお気軽にご相談ください。

お電話の方はこちら
営業時間 平日9:00〜18:00

Tel. 0120-106-460

施設入居を待つ間の費用と介護をどうするか

施設入居を待つ間の費用と介護

費用を抑えて利用できる特養などの公的な施設は、申し込み後すぐに入居できるとは限りません。地域や施設、本人の状況などによっては、入居までに時間がかかることもあります。その間の介護をどのように続けていくかは、ご本人はもちろん、介護をするご家族にとっても大切な問題です。無理なく入居を待つためにも、在宅で利用できる介護サービスを上手に取り入れながら、ご本人に必要なケアとご家族の負担軽減の両方を考えていきましょう。

ショートステイ・デイサービスなどを活用する

施設への入居を待つ間は、ショートステイやデイサービスなど、在宅生活を支える介護サービスを利用する方法があります。介護保険が適用されるサービスを本人の状態やご家庭の状況に合わせて組み合わせることで、費用負担を抑えながら必要な介護を受けることができます。また、ご家族が介護から離れて休息する時間を確保することにもつながります。

利用できる主なサービスには、次のようなものがあります。

サービス名内容利用料の目安(自己負担1割)
デイサービス(通所介護)日帰りで施設に通い、入浴や食事の支援を受ける1回あたり約600〜1,200円
ショートステイ(短期入所)数日〜2週間程度、施設に宿泊する1日あたり約700〜1,000円
訪問介護ヘルパーが自宅を訪問し、身体介護や生活援助をおこなう1回あたり約250〜600円
定期巡回・随時対応型サービス24時間体制で訪問介護・看護を受けられる月額約8,000〜30,000円

これらのサービスは、ご本人の状態やご家族の状況に合わせて組み合わせて利用できます。たとえば、次のような利用方法が考えられます。

在宅介護サービスの利用例

  • 月〜金:週3回デイサービスを利用、週2回訪問介護を利用
  • 月1〜2回:必要に応じてショートステイを利用(家族の休息に)
  • 夜間:必要に応じて定期巡回・随時対応型訪問介護看護などを利用

ショートステイは、ご本人への介護サービスの提供だけでなく、介護をするご家族が休息する時間を確保するためにも活用できます。無理なく介護を続けていくためにも、ご家族だけで抱え込まず、必要なサービスを取り入れていくことが大切です。利用できるサービスや回数は、要介護度や本人の状態、介護保険の支給限度額、ご家庭の状況などによって異なります。ケアマネジャーと相談しながら、予算や必要な介護に合わせたケアプランを検討しましょう。

認知症の場合の施設選び・優先順位の考え方

親御さんに認知症がある場合は、症状や生活状況によって、在宅での介護が難しくなることがあります。施設やサービスを選ぶ際は、費用だけでなく、ご本人が安心して過ごせる環境や認知症への対応体制、ご家族の介護負担なども含めて考えることが大切です。

認知症の方が利用できる主な施設・サービスには、次のようなものがあります。

  • グループホーム(認知症対応型共同生活介護):
    認知症の方が、少人数で共同生活を送りながら日常生活の支援や介護を受ける施設です。家庭に近い環境で生活できることが特徴です。地域密着型サービスのため、原則として施設がある市区町村に住民票がある方が対象となります。費用は地域や施設、居室などによって異なります。
  • 認知症対応型デイサービス:
    認知症の方を対象とした通所介護サービスです。日中、施設に通い、食事や入浴、機能訓練などの支援を受けながら過ごします。ご本人の生活を支えるだけでなく、ご家族の介護負担を軽減することにもつながります。
  • 小規模多機能型居宅介護:
    「通い」を中心に、必要に応じて「訪問」や「泊まり」を組み合わせて利用できるサービスです。同じ事業所のスタッフが継続して関わるため、環境の変化に不安を感じやすい認知症の方にも利用しやすいサービスのひとつです。

認知症の症状や進行の程度、必要な介護、ご家族がどこまで介護を担えるかによって、適した施設やサービスは変わります。

「費用が安いかどうか」だけで判断せず、ご本人とご家族が無理なく生活を続けられる方法を、ケアマネジャーなどと相談しながら検討していきましょう。

同じ悩みを抱えた人はどうしてる?よくあるご質問と体験談

親を老人ホームに入れたいがお金がないときのよくある質問

「自分と同じ状況の人は、どうしているのだろう?」

制度や施設について理解できても、「自分の場合はどうすればいいのか」と迷うこともあるのではないでしょうか。ここでは、一人っ子で親の介護を担っている場合や、親御さんの収入が年金のみの場合など、介護施設の費用についてよくある疑問を、具体的なケースに沿ってご紹介します。

Q1. 国民年金だけで入れる老人ホームはありますか?

国民年金のみで生活している場合、施設の選択肢は限られることがありますが、年金額や所得、要介護度などの条件によっては、費用を抑えて入居できる施設があります。

たとえば、次のような施設が選択肢になります。

入居の可能性がある施設:

  • 特別養護老人ホーム(多床室):
    介護保険が適用される公的な施設です。所得や資産などの条件を満たして「特定入所者介護サービス費」の対象となれば、食費や居住費の負担を軽減できる場合があります。
  • ケアハウス(軽費老人ホーム):
    比較的費用を抑えて生活できる高齢者向け施設です。所得に応じて利用料の負担が軽減される仕組みがあるため、年金収入が少ない方でも入居できる場合があります。
  • 養護老人ホーム:
    経済的な事情や家庭環境などにより、自宅での生活が難しい高齢者を、市区町村の措置によって入所につなげる施設です。本人が施設へ直接申し込む一般的な老人ホームとは仕組みが異なり、費用は本人や扶養義務者の負担能力などに応じて決められます。

国民年金だけで施設への入居を考える場合は、施設の月額費用だけでなく、利用できる負担軽減制度もあわせて確認することが大切です。「年金だけでは難しい」と最初から諦めず、まずはケアマネジャーや地域包括支援センター、市区町村の高齢者福祉に関する窓口などに、現在の収入や生活状況を伝えて相談してみましょう。

特定入所者介護サービス費の第1段階・第2段階に該当すれば、食費と居住費を大幅に抑えられます。まずはケアマネジャーまたは地域包括支援センターに、年金額を伝えた上で相談してみてください。

当社でも、お一人おひとりの状況をお伺いし、条件に合う施設探しをお手伝いしています。ご相談・紹介は無料で行なっていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

お電話の方はこちら
営業時間 平日9:00〜18:00

Tel. 0120-106-460

参考:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」

Q2. 一人っ子で親の介護費用が出せません。どうすればいいですか?

一人っ子の場合、介護や費用について相談できる兄弟姉妹がおらず、「自分がすべて負担しなければならないのでは」と不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、ご自身の生活を圧迫してまで介護費用を負担し続けるのではなく、まずは親御さん自身の収入や資産、利用できる公的制度などを整理し、無理のない方法を考えていくことが大切です。

具体的には、次のようなことから確認してみましょう。

  1. 親御さんの収入や資産を確認する:
    年金額や預貯金、所有している不動産などを整理し、施設費用としてどの程度準備できるのかを確認します。
  2. 利用できる負担軽減制度を確認する:
    所得や資産などの条件によっては、特定入所者介護サービス費や高額介護サービス費などを利用できる場合があります。
  3. 世帯の状況について相談する:
    親子が同一世帯になっている場合、世帯の状況によって利用できる制度や負担額に影響することがあります。世帯分離によって負担が変わるケースもありますが、制度ごとに判定方法が異なるため、手続きをする前に市区町村の窓口などで確認しましょう。
  4. 費用を抑えやすい施設を検討する:
    特別養護老人ホーム(特養)やケアハウスなどを含め、親御さんの収入や要介護度に合った施設を探します。
  5. 経済的に難しい場合は生活保護について相談する:
    親御さんの収入や資産だけでは生活や介護に必要な費用をまかなうことが難しい場合は、生活保護の対象となる可能性もあります。福祉事務所などに相談してみましょう。

一人っ子だからといって、ご自身だけで施設探しや費用の問題を抱える必要はありません。

まずは地域包括支援センターや担当のケアマネジャー、市区町村の介護・福祉に関する窓口などに現在の状況を伝え、利用できる制度や今後の選択肢を一緒に整理してもらいましょう。

Q3. 施設費用が払えなくなったら、すぐに退去しなければなりませんか?

施設費用の支払いが難しくなったからといって、直ちに退去となるとは限りません。滞納した場合の対応や契約解除までの流れは、施設との契約内容によって異なります。一定期間の支払いの遅れや、施設からの督促などを経て契約解除に至る場合もあるため、まずは入居時の契約書を確認することが大切です。そして、費用の支払いが難しくなりそうだと分かった段階で、できるだけ早めに施設へ相談しましょう。

そのまま滞納を続けるのではなく、次のような相談や確認をしてみてください。

  1. 施設の生活相談員や担当者に、現在の状況を伝える
  2. 担当のケアマネジャーなどに相談する
  3. 市区町村の介護・福祉に関する窓口で、利用できる負担軽減制度がないか確認する
  4. 現在の施設での支払いが難しい場合は、費用を抑えられる施設への転居も含めて検討する

収入や生活状況によっては、これまで利用していなかった負担軽減制度が利用できたり、別の施設を検討できたりする場合もあります。「もう支払えない」となるまで一人で抱え込まず、少しでも不安を感じた段階で施設や介護・福祉の相談窓口に相談することが大切です。

【まとめ】費用に不安があるときも、まずは相談することから

【まとめ】お金がなくても老人ホームに入れる道は必ずある

「お金がないから老人ホームへの入居は難しい」と思っていても、すぐに諦める必要はありません。

ここまでご紹介してきたように、費用を抑えやすい施設を探す、公的な負担軽減制度を利用する、親御さんの資産を活用するなど、状況に応じて検討できる方法があります。

まずは、この記事でご紹介した7つの対処法を振り返り、ご家庭で利用できそうなものがないか確認してみましょう。

対処法内容
①公的施設を検討する特養・老健・ケアハウスなど月額5万円台から入居できる施設を探す
②安い民間施設の特徴を知る立地や築年数で費用が変わる。サ高住も選択肢になる
③専門家に相談するケアマネジャーや地域包括支援センターに頼る
④特定入所者介護サービス費を申請する食費・居住費の自己負担額を大幅に軽減できる
⑤その他の減免制度を活用する高額介護サービス費や自治体独自の助成も確認する
⑥生活保護を検討する年金だけでは足りない場合の最終手段として活用する
⑦資産を活用して資金を作るリバースモーゲージ、公的融資、実家売却で費用を捻出する

「まだ施設に入ると決まったわけではない」
「どの制度が利用できるのかわからない」
「親の年金で入れる施設があるのか知りたい」

そのような段階からでも相談できます。

介護や公的制度について相談したい場合は、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターや、市区町村の介護・福祉に関する窓口などに相談してみましょう。

また、「予算に合う施設を具体的に探してほしい」「どの施設を選べばいいかわからない」という場合は、民間の施設紹介サービスを利用する方法もあります。

当社でも、親御さんの状況やご予算、ご希望を伺いながら、条件に合った介護施設探しをお手伝いしています。まだ具体的な施設が決まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。

施設探しから実家の売却・家財整理まで、まとめてご相談いただけます

株式会社昇永の総合シニアサポート

「親を老人ホームに入れたいけれど、費用が心配」
「施設への入居後、空き家になる実家をどうすればいいかわからない」
「施設探しと一緒に、実家の片付けや売却についても相談したい」

このようなお悩みがある方は、シニアライフの総合支援をおこなう株式会社昇永へご相談ください。

親御さんの施設への入居を考えるときは、施設を探すだけでなく、費用の準備や実家の片付け、入居後の住まいをどうするかなど、さまざまなことを同時に考える必要があります。

通常であれば、老人ホーム探しは施設紹介サービス、実家の売却は不動産会社、家財の整理は専門業者と、それぞれに相談しながら進めることになります。

株式会社昇永では、こうしたご家族の負担を少しでも減らせるよう、介護施設のご紹介から、提携先を通じた不動産の売却相談、生前整理・家財整理まで、ひとつの窓口でご相談いただけます。

施設探しでは、ご本人の健康状態や必要な介護、ご家族のご希望、ご予算などを伺いながら、条件に合った施設をご提案します。医療的なケアが必要な方や介護度の高い方についても、必要に応じて専門家と連携しながら施設探しをお手伝いします。

「まだ入居するかどうか決まっていない」
「親の年金や今の予算で入れる施設があるのか知りたい」
「実家を売却したほうがいいのか、それ以外の方法があるのか相談したい」

そのような段階でも大丈夫です。

施設だけ、実家だけと個別に考えるのではなく、親御さんとご家族のこれからの暮らしを含めて、一緒に整理していきましょう。オンラインでのご相談にも対応しています。施設探しや費用、実家の整理などでお困りのことがありましたら、お気軽に株式会社昇永までお問い合わせください。